主な研究テーマ

現在,特に下記の研究テーマに取り組んでいます.
1.カルデラ火山のマグマ供給系に関する研究
カルデラが形成される前・後の火山活動と,マグマ供給系の時間変化に興味があります.火山岩の放射年代,岩石学的特徴,化学組成,同位体組成などを調べています.
巨大陥没カルデラを形成するような大噴火の際には,多量のマグマ(数百立方km以上)が放出されます.どのようなプロセスを経てその多量のマグマが地下に蓄積されたのかを知るために,カルデラ外輪山やカルデラ縁の外側に分布する”先カルデラ火山岩類”の研究を行っています.
また,多くの場合,カルデラが形成された後も火山活動は継続し,中央火口丘群を形成したりします.それら”後カルデラ火山岩類”を調べることにより,カルデラ形成後から現在に至るまでのマグマ供給系変化などを明らかにしたいと考えています.
2.沈み込み帯におけるマントル−地殻間物質循環の研究
沈み込み帯における”海洋地殻→マントル→火山→地球表層”という物質循環機構に興味があります.
特に,水循環のトレーサーとなる火山岩中のホウ素含有量などを調べています.また,ホウ素と他の微量元素および同位体組成などを組合わせて,マントル−地殻間の水循環に関する定量的議論を試みています.
3.ホットスポット火山からの揮発性成分放出に関する研究
ホットスポット火山からの揮発性成分放出量などに興味があります.
上記 2 は地球の比較的浅い場所での物質循環機構をターゲットにしていますが,ここではもっと深い場所からやってくる揮発性成分をねらっています.このテーマはまだまだこれからです.頑張らなければ.